背景会社での話

最近3Dに偏った話が多いので、
たまには背景の話をさせていただきます。

自分が以前講師をやっていた時に感じていたのですが、
アニメ/ゲーム背景美術を目指す人のタイプとして
大きく2タイプあると感じていました。

そのタイプは

「芸術家もどきタイプ」と「アニメ大好きタイプ」です。

どちらが良いとか悪いという事を言うつもりはないのですが、
結局良い作品を作れるのが「芸術家もどきタイプ」です。
「アニメ大好きタイプ」は作品に携われれば幸せなので、
作業が流れ作業になってしまい。枠から出にくくなります。

ただ、残念な事に実際に制作会社に残る率が高いのは
確実に「アニメ大好きタイプ」です。
何故かというと、その手のタイプの人は業界にいられれば幸せなんですね。
他に就く仕事も思い当たらないし・・。という点で残る率が非常に高いです。

なので前者の「芸術家もどきタイプ」は
後者の「アニメ大好きタイプ」に
描画する作品を枠に収められるのでストレスが
たまって辞めていってしまいます。

恐らく一昔前は芸術家タイプの方が多かったのでしょう。
今よりも苦労は多かったかもしれませんが、
色々なチャレンジができのかもしれません。

別にどちらのタイプが良いというわけではありませんし、
仕事をしながらタイプは変わることもあるので、
「私は○○タイプだから」ダメと心配する必要はありません。
ただもし芸術家肌の方が業界へ入るのであれば、
狭い業界内で商業業務と認識した上で
進まないと痛い目に合います。


自分自身も前者のタイプが強く、
学生時代は背景会社にはあまり入りたくありませんでした。
ただ、昔放映されていた「キョロちゃん」を見て
「あーこういう描画もありなんだ」と感動して、
その背景制作会社に入社しました。
Sさんという綺麗な女性が美監だったのですが、
自分がやりたいと思う事をすべてやっている人で、
一番最初の印象が、「よく十数年我慢してやってるな」
という印象を今でも覚えています。
例えばアニメ背景を描く際、原図という下書きがあるのですが、
それを無視して描いたり、
アニメ背景の場合1話で300カット位あるので、
効率化の為にも、なるべく単純化して色数を単純化するのですが、
通常明中暗の3色で塗るところを5色で塗ったり、
アニメ背景のできる範囲の中で伸び伸びやっていて、
凄い羨ましかったのを覚えています。

今でもSさん以上の背景描く人は数少ないと思っています。
背景業界からすれば、あれは背景じゃないイラストだとか
言われるかもしれませんが。。とても素敵な人でした。

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